恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
振り返った課長は、ほれ見たことか! と言うくらいの勢いでニヤついてるかとおもいきや……
「悪いがお茶は、いらない」
ーーーえ! 女が、アプローチしかけて惚れさせようと思ってる女が、家に招いてるのに……。お茶はいらないとか普通言わないじゃん!
離れた位置から近づいてくる様子も無い。
ーーー何なの! エレベーターでは距離を詰めてきたのに……。押したら引く戦法なわけ?
「じゃあな。また明日」
手を軽くあげ階段に向かう課長。
「課長、デザートは? ほら、アイスありますけど」
まるで、こどもを誘拐するいかがわしいオッさんみたいな誘い文句だった。
「アイス? 何アイスだ?」
「バニラですよ」
「◯ゲンダッツか?」
「いえ、もっと安いですけど……」
「なら、いらない。俺はアイスは◯ゲンダッツと決めている」
「高いからって美味しいとは限りませんよ!」
「充分満足してるし、家にあるからいらない」また、余計に早く帰りたい雰囲気をかもしだす課長。
ーーー何よ、アイスまでこだわってる訳? しかも絶対に寄らない感じになってるのはなんで?
拒否られてしまうと、意地でも呼びたくなっていた。