恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
長い夜
ーーー眠れない。
ベッドに入ってだいぶ時間がたったように感じる。どうしても、寝室の扉が気になり眠れないのだ。ベッドサイドの時計をみると12時を少し過ぎたところだった。
ーーー開けっ放しで寝ればいいかも。
寝室のドアを開けて、寝室の明かりもつけたままベッドに入る。
瞼を閉じるが、明るすぎて眠れない。
ーーーどうすれば寝られるだろう。
ゴロンと寝返りをうつと、上野課長がくれたマットレスが目に入った。
ーーーそうだ。この前もマットレスの上で結構寝られたから、きっと今日もそうすれば……。
私はマットレスに寝転んでみた。
ーーーだめだ。どうしよう。そうだ。難しい本でも読めばすぐに眠くなるかも。
徹夜しようと勉強すると必ず、コテンと朝まで寝ていた私だ。
ーーーあ〜しまった。いらない本は引っ越す時に処分してきたんだ。
今ある本は、好きな奴ばっかりだ。難しい本なんかひとつもない。
ゴロゴロしながら考えて、私はある考えに辿り着いた。ベッドサイドに置いていたスマホを手にする。少しだけ躊躇したが、背に腹はかえられない。