恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「課長、勘違いしないでくださいね。あの、私はただ……」
「もう、何も言うな。わかった。女のお前にそれ以上言わせられないな。本を読みたいだけ……だろ?」
完璧に誤解しているようだが、そんなものは勝手にさせておけばいい。私は、眠気を誘う本さえ手に入ればいいのだから。
「はい。お願いします。なるべく分厚くて難しい奴を」
「よく……理解した。少しだけ待て」
「課長、なるべく早くお願いします!」
「なるべく早くか……わかった。すぐに行く。待ってろよ。ユイカ」
最後の名前の呼び方がやけに甘い感じで鳥肌がたつ。
ーーーでも、これで熟睡出来るはず!
私は、スマホをサイドテーブルに置くと課長が来たらすぐに開けられるように玄関へと走った。