恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜

抱き寄せられる形になった私は、課長の肩に鼻を押し付けるようになってしまい課長のにおいを嗅ぐ羽目になった。

ーーーあれ、くさくない。むしろ、爽やかを売りにしたボディソープみたいなにおい。


思わず、香りに包まれ瞼を閉じていた。


ーーー安心出来るにおいだな。課長。いいボディソープか柔軟剤使ってんだろうか?


「後悔させない……」

そんなセリフと共に課長は、私をお姫様抱っこし始めた。

「えっ! 課長!」

「静かにしろ。何時だと思ってるんだ?」

「でも、なんでお姫様抱っこ?」

開け放してあった寝室に私を運び、当たり前のようにベッドの上にゆっくり私を寝かせる。

優しげな瞳は、今まで見たこともないくらいであり……。私は課長の瞳にすっかり魅入っていた。

「ユイカ、やっと俺に惚れたんだな?」
課長がそっと私の髪に触れ撫でていく。


その撫で方があまりにもソフトでトロンとしてきてしまう。親が子供を愛しそうに撫でるような撫で方だった。

さっきまであんなに眠気が来なかったのが、嘘のように瞼が下がる。

私は、すっかり安心しきって課長が髪を撫でるのを放置していた。



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