恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「すごい爆音だったぞ! 俺はびっくりして飛び起きたんだからな」
「あ〜もしかして、ベッドから落ちたのがその位の時間かもしれませんね。眠れなくなると嫌なので時計はみませんでしたが」
「落ちた?」
突然、ガシッと私の頭を両手で掴む課長。頭をスリスリ何かを探すようにして指でさすり始めた。
「ちょっと、課長! なんです?」
「頭にコブは出来てないな」
その後、私の両方の腕を持ち反転させた。
「腕にアザも無い」
ーーー課長、私を心配してくれてんの?
意外なんだけど。
少しだけ課長を見直しかけた矢先に、課長は眉根を寄せた。
「頑丈なお前が無傷だとすると、床に穴でもあいたんじゃ無いだろうな」
「そんな馬鹿な話ありませんよ。私が落ちたくらいで穴があくような所に住みませんし」
「確認したのか?」
「え? 何をです?」
「床の確認だ。穴があいてないか、亀裂が入ってないかどうか、きちんと確認したか?」
「……し、しましたよ。もちろん。無傷でしたよ!」
本当は、確認なんかしてなかった。でも、常識的に考えてもベッドから落ちたくらいで床に穴があくとは思えなかった。