恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜


課長の手料理をゆっくりご馳走になり、最後に課長が「デザートだ」と運んで来た平たいお皿。


「これ……白桃?」

淡いグリーンの平たいお皿には、薄くカットされた白桃らしき果物が丸い形に置かれていて、真ん中に白い色のシャーベットがある。


目にも美味しそうなデザートだ。


「覚えてるか? この白桃」
椅子に座る課長が、私を見た。


「白桃、もしかして?」


「ん、凹んだ缶詰めの白桃だ。あそこのスーパーの白桃缶が凄く美味しいってユイカが言ってたろ?」


ーーーあれは、口から出まかせだったのに。


スーパーで仕方なく買う羽目になった白桃缶。あれにこの場面で出会うとは思わなかった。



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