恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
課長は、握られていた私の手を強引にもぎ取った。そして、ぐいっと私は課長の方へ引き寄せられていた。
「課長!」
「心配して早めに仕事を切り上げて来てみれば……」
「だから、課長。この人はですね」
私に向かい課長は、厳しい目をした。
「山田、神島以外の他の男にも目を向けろと言ったこと覚えているか?」
「え? はあ」
「……撤回する」
「はい?」
手を握る課長の手に力が加わった。
「悪いが……」
キョトンとする男性に課長は、顔を向けた。
「どこの誰だかは知らないが、山田ユイカに、今後一切触ることは許さない」
「なに言ってんですか? 課長! 勝手にそんなこと言って……その言い方だと…」
私は、課長の横顔を見上げた。
ーーー私に触るなとかって……なんだかその言葉の後にとんでもなく恥ずかしい言葉が続きそうで……トリハダなんだけど!
課長、もうそれ以上恥ずかしいセリフは言わないで!