恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
課長が私の頭をポンポンと叩いた。
「最初から素直になれば、山田でも可愛いのにな」
「山田でもって……でもって? なんですか、その言い方」
「山田、座れ。よく眠れるようにホットミルクでも入れてやる」
「私、別に眠れないって言ってませんけど……そんなホットミルクなんて……子供みたい」
本当は、嬉しいと感じた。ホットミルクも好きだし。でも……
ーーー課長の前では素直になりたくない。なったら……。
「子供扱いが嫌なら……」
課長が私の手を引いてソファに座らせて隣に座る。
私の前髪を指ですくう課長。課長の指先が額に触れて、ビクッとなる。
すっと静かに近づいた課長が、私の額にキスをした。
「大人扱いしようか? ユイカ」
課長が揺れる瞳で私を見つめてくる。
ーーー息が……つまりそう。なんでこういう時は苗字じゃなくて名前で呼ぶの?
ドキドキする胸の高鳴り。ソファに置いた布団に背中が押し付けられてゆく。
どんどん、布団に沈みこむ体。課長が上に被さってきた。
「か、課長……」
「なんだ?」
私を見つめてくる課長の指先が優しく頰に触れる。