恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
会社に行くと、いつもの日常が始まる。
与えられた仕事をこなし、時間が過ぎていく。
「山田、一緒に来てくれ」
ノートパソコンを抱えた上野課長に呼ばれた。
「新しいレトルト食品の試食に呼ばれた。うちの部署からも2人来いと言われたので、お前を連れて行く」
廊下を先に歩きながら、説明する課長。
「はあ」
「気の無い返事をするな。なるべく舌の肥えてない人をって言われたからお前にしたまでだ」
「はい。べつに理由とか聞いてませんけど」
ーーー呼ばれた理由なんか、いちいちきにしないのに。
「だから、個人的にお前を側においときたいから、お前を呼んだ訳では無いと説明したまでだ」
ーーー何それ? かえって反対の意味みたいに聞こえて……。あれっ?
いつもなら、ジョークだかジョークでないのか判断つかない課長のトークにトリハダがたつところだが、今日は違う。
トリハダが立たないのだ。反対に少し気分が高揚している。アゲアゲだ。
ーーー絶対へんだ。私。