恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「あの時から俺は上野とは距離を置いてきた。腹を割らない奴は、信用出来ない。だから、俺もあいつには二度と腹は割らないことに決めたんだ」
「なんでそんな話を私に?」
「あいつもキミも気に入らないから。嘘だろ? 上野の彼女だって話」
神島課長がニヒルに笑う。
その後、少し視線をどこかに飛ばしていた神島課長は、急に優しいタッチで私の髪に触れ上から下に何回か撫でていく。
いたたまれずに後ろに下がって神島課長と距離を置いた。
「あの、どうして嘘だなんて?」
「……君は上野のタイプと違う」
神島課長の言葉にズキンときていた。心底傷ついたのだ。
「そんなこと……神島課長に言われなくても私が一番わかってます! 私は上野課長が嫌いなナスみたいな女だってこと!」
「ナス? あ、待てよ!」
駆け出していた。涙が溢れそうだ。決壊したダムみたいに。
あえて知っていることを言われて悲しかったのだ。
私が上野課長のタイプじゃないって……。