恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「やたらに男に触らせない方がいいぞ。山田。女なら誰でもいい奴だっているんだ。勘違いされるぞ」
「余計なお世話です」
どうしても課長には素直になれない。なったら負けだもん。
「お前と俺は、付き合ってることになってる。だから、やたらと他の男と親しくしているのはおかしいだろ?」
「じゃあ、本当のことを話せばいいんじゃないですか? そうすれば……」
上野課長は腕を組み、私を厄介な奴みたいな感じで見おろす。
「山田、お前は神島が好きなのか?」
「は? どうして……」
言いかけてやめた。
ーーーここで、神島課長を好きだと言えば……上野課長から離れられる。
きっと、上野課長も馬鹿げたことをしたくなくなるはず。初めから、好きでもない女を振り向かせるなんて……暇人がやることだと気がつくかも。だったら……。
私は、上野課長を見上げた。
「神島課長が好きです。だから、上野課長との噂は……迷惑なんです」