恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜


会社を飛び出してきた私は、とりあえず紗季に連絡をとり、具合が悪くて早退すると伝えた。


コートも着ないで出てきたせいで、寒さが身にしみた。

腕をさすりながら、歩いた。
歩きながら、泣きそうだった。


ーーーだって、課長は…さんざん私を女として見られないみたいに言ってた。それなのに、あんな告白信じられない。

それに……あんなキスされて……。



私は、さっきした上野課長とのキスを思い出していた。

ーーー私は……どうすればいい?



マンションに帰り、何もしないでベッドに入った。頭から布団をかぶりまるくなっていた。


ーーー課長が私に? 本気? 信じられない。絶対に無理。

騙されてるんだ。きっと……。



私は、自分でも不思議だった。馬鹿みたいに臆病になっていた。


30歳になって、マンションを購入した。

自立した女になるつもりでいた。

結婚なんかしなくてもいい。恋愛なんかしなくてもいい。もし、恋愛をするにしても絶対にのめり込まない。

もう、子供じゃないから振り回されたり、空回りする恋愛はしない。

これからは、気軽に楽しめる恋愛しかしない。


歳をとると、転んだりして出来た傷口は中々治らなくなる。

心の傷は余計に治りにくい。

だから、のめり込むような恋はご法度だ。自分が辛くなるだけだから。




★教訓

先のことを気にやんだり、まだなってもないことをきめつけるほど馬鹿な事はない。

馬鹿だとわかっているなら、そんな考え方は今すぐやめるべきだ。


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