恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
ピンポーン……
ーーーえ〜、誰よ。こんな時間に。
枝豆をくわえながら、インターフォンの画面を確認した。
スーツ姿の男が立っている。目を細くして画面に更に近付いてみる。
「おーーーーNO! !!」
言いながら、外人みたいに両手を上に掲げた。その後で、頭を抱える。
画面に映るのは、うぬぼれやの上野課長だった。
ーーーなんなの?! 私のせっかくの至福の時を邪魔しに来たわけ?
それとも……酔っ払って、自分の家と間違えてる?
そうだ、そうに違いない。なんて、迷惑な酔っ払いなんだ!
玄関まで勢いよく歩き、ドアを開けるなり私は怒りを露わにした。
「課長! 酔っ払って家を間違えるとか、いい加減にしてくださいね! 課長の家は、下! 完全に下ですから! 私の家の下!」
一気に言えて、気分爽快!
特に「下!」と言う言葉が、バッティングセンターでホームランの的にボールが当たった時みたいな爽快感であり、かなり良かった。