恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
だが、私が乗っても関係ないのかベッドを押し続けた課長。
簡単に壁に寄せられてしまったベッドに、完璧に凹んだ。ベッドの上でうつ伏せになり悔しくて足をバタバタさせた。
「バタバタするな、下に響く」
あくまでも冷静な課長。キッと課長を睨んで見たが、同時に柔軟に考えてみた。
ーーーそうよ。何も課長の言いなりになることないじゃん。課長が帰ってからベッドを動かせばいいんだ。私ったら、頭いいじゃん。
でも、ここは悔しがらないと不審だから……。課長が帰るまで我慢よ。我慢!
「く〜悔しい!」
ベッドにうつ伏せになり、にやけた顔を隠して足をジタバタさせた。
「ジタバタするなって言っただろ? 山田さん」
ーーーん? あれ、ジタバタ出来ない。足が動かない。
苦しくなり、顔を横に向けた。上半身を仰け反らせて足元を見た。
ーーー押さえてる! 完璧に私の両足を押さえてるよ!
「やだ! 課長! 信じられない!足を離して!」
「おい、プライベートでは課長と呼ぶのは辞めるんじゃ無かったか?」
「上野! 離せ!」
頭にきていたから、さん付けもしなかった。
「山田、お前の足がカチカチだぞ」
ふくらはぎをぎゅっと揉む課長。
「せ、セクハラ! 課長! セクハラ」
「うるさいぞ、山田。離すからジタバタするな」
やっと手を離した課長は、私のベッドにどっかりと腰を下ろした。