恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「なんだか、暑いですね…締め切ってるからかなぁ…」
会話の内容も変だし、距離が近すぎなので、私は課長と離れるために窓を開けようとする口実で立ち上がろうとしていた。
が、私の手首をガシッと掴んでくる課長により、立ち上がれなくなって課長を見た。
「開けなくていい」
「でも、空気を入れ換えようかなあと」
「話は、すぐに終わるから必要ない」
「はあ」
「布団は無いんだな?」
「えぇ、とりあえず自分の寝る布団があればいいかと思いまして」
客用の布団なんかは、誰が来るってなった時に買えばいいやって思っていた。かさばるし。
「ずぼらだな」
カチンと来たが、あえて取り合わないことにした。
「……それが何か?」
「今夜空けとけ」
「は?」
「聞こえないのか?」
手首を掴んだままの課長が、私の手首を引っ張った。
私の体は、課長のすぐそばに移動してしまい、更に課長が私に近づいて来たため
かなりの急接近モードに入っていた。
耳が遠いと誤解して、心臓がばくばくしてしまうほどに近くにきた課長。