恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
ーーーこの男ときたら! 傷口に塩をこってり刷り込んで来たよ。
目隠しなら大丈夫? はあ?
何が大丈夫なのよ。信じられない。私をそうまでしないと女として見られない。そう言いたいの?
「山田、落ち込むな。俺は、お前みたいのは全然タイプじゃないが、世の中には変わった人もいるからな。いずれ、山田向きの変人に出会えると思うぞ」
ーーー変人ね。
肩を叩かれて、元気出せみたいなムードを出された。
「ご心配なく、神島課長がいますから」
神島課長の名前には、びくんと反応する上野課長。
「山田、神島は女がたくさんいるぞ。お前だけじゃない」
「わかってますよ。いいんですよ」
課長は、私の両肩に手を置いて
「他に男いないのか。神島じゃなくて」聞いてきた。
「いません」
「そんなに彼氏が欲しいのか?」
ーーー彼氏? あ、忘れてた。マンション購入の夢を見て、物件探しや貯金に明け暮れていた。
どうすれば、貯金をたくさん出来るか?
どうやって節約しようか? そればかり考えてきた。
城が手に入った今、彼氏なんて必要だろうか?
「欲しいかと聞かれたら、特にいらないかもしれません」
私の答えに驚いたような表情を見せる課長。
「お前、終わってるぞ」
「は?」