恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「女として手遅れになるぞ。俺から聞いておいてなんだが……神島以外の男には興味を持つべきだ」
「そうでしょうか?」
桃缶を手にして、課長は桃缶の凹みを指でなぞった。
「もちろんだ。世の中には男と女しかいないんだぞ」
「おかまやゲイやオナベもいますけど」
「そいつらも元を正せば、男か女だろ」
「はあ」
「この桃缶を食べるには、何がいる?」
桃缶を上に掲げる課長。
「フォーク」
「バカ。食べる前に缶を開けろよ。これにプルトップはついてない」
「ああ、安いから」
「そういう問題じゃない。桃缶を開けるには、缶切りが必要だよな?」
私は、じっと課長を眺めた。
ーーーで、何が言いたいのよ。話が長い。桃缶じゃなくても缶詰めには、缶切りが必要に決まってるじゃん。