恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
早乙女さんの話した噂話は、ネット回線の速さに例えるならクロヒョウ級並みに速かった。
終業時間には、会社中の人が知っているみたいだった。
しかも、噂話にはあまりにも適当すぎる尾ひれが長くつきまくり、確認するのが恐ろしいと感じられた。
それなのに、噂話の渦中の人物である課長は、公然と私に話しかけてきた。
「山田、今日残業頼めるか?」
「上野課長と二人で残業? マジですげ〜。ヒューヒュー♪」
周りから囃し立てる声が聞こえてきた。
「課長! ちょっと!」
上野課長の腕を引っ張り、廊下へ連れ出したが廊下にも帰り支度をした社員がたくさんいた。
皆、私と課長をニヤニヤしながら見てくる。
ーーーここも駄目だ。どこなら、二人で話せる?
つかつかと早足で皆の脇を通り抜けて廊下の端まで来た。
ーーーここなら、行き止まりだし誰も向かって来ないはず。
引っ張ってきた課長の腕をパッと離すと前のめりに勢いのついていた課長が、バランスを失い、壁に激突しそうになった。
「おい、山田! なんなんだ?」
「なんなんだじゃないですよ。課長は、噂知らないんですか?」
「少しなら俺も知っている」
課長は、壁にもたれかかり腕を組んだ。
「山田と俺が付き合っていて、同じマンションに住んでいる。しかも……結婚するらしいとな……」
「課長、それはマシな噂です。私が聞いたのは、課長に本命はほかにいて私が囲われていると言うのと、私が課長の弱みを握っていて課長の家に居座っているなんて言うひどい話ばかりですよ」
終業時間には、会社中の人が知っているみたいだった。
しかも、噂話にはあまりにも適当すぎる尾ひれが長くつきまくり、確認するのが恐ろしいと感じられた。
それなのに、噂話の渦中の人物である課長は、公然と私に話しかけてきた。
「山田、今日残業頼めるか?」
「上野課長と二人で残業? マジですげ〜。ヒューヒュー♪」
周りから囃し立てる声が聞こえてきた。
「課長! ちょっと!」
上野課長の腕を引っ張り、廊下へ連れ出したが廊下にも帰り支度をした社員がたくさんいた。
皆、私と課長をニヤニヤしながら見てくる。
ーーーここも駄目だ。どこなら、二人で話せる?
つかつかと早足で皆の脇を通り抜けて廊下の端まで来た。
ーーーここなら、行き止まりだし誰も向かって来ないはず。
引っ張ってきた課長の腕をパッと離すと前のめりに勢いのついていた課長が、バランスを失い、壁に激突しそうになった。
「おい、山田! なんなんだ?」
「なんなんだじゃないですよ。課長は、噂知らないんですか?」
「少しなら俺も知っている」
課長は、壁にもたれかかり腕を組んだ。
「山田と俺が付き合っていて、同じマンションに住んでいる。しかも……結婚するらしいとな……」
「課長、それはマシな噂です。私が聞いたのは、課長に本命はほかにいて私が囲われていると言うのと、私が課長の弱みを握っていて課長の家に居座っているなんて言うひどい話ばかりですよ」