恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「いただきます」手を合わせて、うどんを食べ出した。
「お前、ネギ入れ過ぎだろ。ネギ臭くてキスも出来なくなるぞ」
「……」
ズルズルって、うどんをすする。
「あ〜キスする相手がいないから、何食べてもいい訳か? キムチでもニンニクでも……」
「あの、黙って食べてもらえます?」
ーーー全く嫌みな男だ。大嫌い。
ムッとしながら、エビ天を口に入れた。
ーーー美味い。だが、納得いかない。安く済ませられたもんだ。
半分食べて、置いたエビ天をすぐに隣から伸びてきた箸が挟んで持っていく。
「あれ?? 嘘でしょ! 何、食べちゃってんのよ!」
課長の口にエビ天がねじ込まれてしまった。
「私の!」
「知ってる。食べたかったからな」
「自分で買えば良いのに!」
怒りが湧いてくる。
「買っただろ。全部俺が」
ーーー信じられない! 自分が買ったから自分のものとでも言う気なの!