恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜


「いてっ! 噛むな! 馬鹿野郎! お前の方がくさいだろが!」
腕をおさえたハゲ頭が私から離れて、よろめきながら言った。


ーーーはっ! さっきのネギか?

私は、思わず口をおさえた。

信じられない捨て台詞を残したハゲ頭は、腕をさすりながら地面に唾を吐いて私から離れていく。


放心状態で立ちすくむ私に追い打ちをかけた男がいた。

「なんだ。助けに来たけど……必要なかったな。くっ……だけど、お前は凄いな。噛み付くし、極めつけは臭い息だもんな。俺には真似出来ない」

見上げた横顔は、相変わらずシュッとしていけすかない。

それどころか……
大嫌いだ。こんな男。




★教訓

キスする相手がいなくても、ネギを食べるのは程々にするべき。そうでないと、思わぬ相手に足元をすくわれる羽目になるから。


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