恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
「見た目は、大事でしょう」

「なら、見た目が綺麗なチーズなら食うのか?」

「たぶん食べます」


「じゃあ、何故男のことを見た目で決めないんだ?」

「はい?」

ーーー課長は、何が言いたいんだ?


「俺は、この通り見た目がいい。なら、女なら誰でも俺に惚れるだろ」
両手を広げ自分を見せる課長。


椅子ごと倒れそうになった。むしろ、倒れてしまいたかった。

ーーー自画自賛だよ。この人ってば怖いんだけど!

「あ〜本当にそこが嫌! 自信満々な人って苦手なんですよ。人間、誰しも悩みがあり、欠点があるもんです。むしろ、欠点があるくらいが好ましいじゃないですか」

私は、大きく息を吸い込んだ。


「だから、課長がいくら綺麗なチーズだって自慢しても絶対に課長には惚れません」


「ヘェ〜俺に欠点がないから惚れないのか? 言い切れるのか?」
課長は私をジッと見つめる。かなり、近い距離だ。

ーーー課長の見た目には欠点は無いけど。中身が嫌い。だから、絶対に惚れない。この思いには自信がある。
私は決めたことは、やり通せる女だ。課長には、間違っても惚れない。そう、言い切れる。
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