恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
ジッと見つめたままで、課長がニヤリと笑う。
「面白い。山田、確かめてみようか?」

「何をですか?」

「俺には絶対に惚れないってことを……確認したい」
ウイスキーを飲み干した課長が椅子からおりた。

「何事も確認しないと証拠がないことは認めたくないんだ。山田が俺に絶対に惚れないのかを……調べたい」


ーーーなんか嫌な予感がする。

「調べられたくないって言ってもいいですか?」

「ダメだ」
課長の手が私の腕を掴んだ。

「山田」
課長の手が私の体を引き寄せる。椅子からおりた私は、課長の腕にすっぽりと収まっていた。


ーーーなんで、いきなりハグ? 力技で好きにさせる気?

「課長、抱きしめても無駄ですよ」

「さあ、わからないぞ。スキンシップには人を好きにさせる効果があるはずだ」


客のいないバーでハグされる。

マスターは、呼ばれない限りこちらを見ない。
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