恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜

ーーー限界だ。

力尽きた私は課長の肩にもたれた形に成り下がっていた。

「最初からそうしてればいいのに…お前は、しぶといな」

課長の胸の中に抱かれて立つ私。世間的に見たら、酔っ払い女がイケメン男性に取り入ろうとして体を密着させている感じになっているはず。

いい年して恥ずかしいと思うカップルの代表に成り下がってしまった私は、急いで課長の胸を押した。


「課長、私座りますので」
少しの空いた椅子の隙間を狙い、それを口実に課長から逃れた。

隙間にお尻を押し込んで、肩を小さくして椅子におさまった私。

右側のやけに太った男の腕が私の体に密着して気持ち悪い。


ーーー立っても座っても密着だけど。どっちがマシだろう?

見知らぬ太った男とのベットリとした密着か、イケメン課長との行き過ぎた密着か……。


マシな方を考えているうちに、隣の男が椅子を揺らして立ち上がった。

ーーーはあ、降りるんだ、この人。助かった。

安堵した私の隣にさっと来て座ったのは……。


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