桃色クレヨン
笑顔
『さーとるくん!』
教室の方に行くといきなりそう呼ばれた。
『なんだよ!詩乃。』
詩乃。
陵の彼女で。
いちよ、俺の友達。
俺は好きになれないけど…。
『なーに嫌がってるの!もう!天宮ゆりとはどうなの?付き合ってるんでしょ?』
俺はビックリした。
『なんだよ…それ。』
『もう学校中の噂よ。
天才少女、天宮ゆりと唯一会話をした子、秋山悟くん。みたいな感じで。
だから付き合ってるんだと…』
『付き合ってない。』
『えっ?』
『俺と天宮は付き合ってるわけじゃない。
でも話したけど…』
『じゃあ噂は本当だったんだ。』
っとニコッと笑う。
不自然すぎる笑顔。