桃色クレヨン
ある時。
『ねぇ!秋山くん。一緒に職員室来てよ。』
詩乃がそう俺に話しかけてきたのだ。
『なんで俺?』
『一番暇そうだから。』
詩乃はそう言った。
『他にも暇そうな人いるぜ。』
『一番、話しやすいから。って早く行かなきゃ先生に怒られんの。早く行くよーー!』
そう言って腕を引っ張る詩乃。
『おいっちょっとーー!』
俺は詩乃に引っ張られる。
職員室に行く間、色んな人から見られた。
なのに詩乃はそんな事を気にする素振りも見せず職員室に向かう。
それが詩乃と俺が話すきっかけ。
一番話しやすいから。
一番暇そうだから。
そんな感じで言われたのがきっかけって、今でも笑える。