桃色クレヨン



帰り道、今日は天宮と一緒だった。



天宮は新しく出展する絵を見せに学校に行ったらしい。



その絵を見せてと頼んだらすんなり見せてくれた。



『また風景の絵なんだ。』



『うん。』



天宮は赤く頬を照らした。



『天宮って人物描かないよね。』



『人は描きたくないの。人は…。』



そう思い詰めたような顔をした。


俺は話を変えようとした。


また聞いてはいけない気がしたから。



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