君がメガネを外す時
振り返るといつの間にか後ろに、幼なじみの結衣(ゆい)と洸太(こうた)がいた。
ふたりとも一緒の高校に合格した。
「何やってんの?」
結衣があきれ顔でわたしに問う。
「何って、学校に行こうとしてるんだよ」
「違うわよ。何それ、なんで手つないでんの?」
結衣は、はあーとため息をつく。
「あんたってほんと重症」
「美織には羞恥心がないもんな」
洸太がバカにした声で言う。
「あるよ!シューチシンくらい」
「あるのかよ?それ以前に羞恥心っていう言葉知ってんの?」
「知ってるよ。寝るってことでしょ」
「それはシューシン。やっぱバカだな」
洸太がハハッと笑う。