君がメガネを外す時





振り返るといつの間にか後ろに、幼なじみの結衣(ゆい)と洸太(こうた)がいた。



ふたりとも一緒の高校に合格した。



「何やってんの?」


結衣があきれ顔でわたしに問う。


「何って、学校に行こうとしてるんだよ」


「違うわよ。何それ、なんで手つないでんの?」


結衣は、はあーとため息をつく。


「あんたってほんと重症」



「美織には羞恥心がないもんな」


洸太がバカにした声で言う。


「あるよ!シューチシンくらい」

「あるのかよ?それ以前に羞恥心っていう言葉知ってんの?」

「知ってるよ。寝るってことでしょ」

「それはシューシン。やっぱバカだな」



洸太がハハッと笑う。





< 6 / 158 >

この作品をシェア

pagetop