笑顔
裕史はこのことをきっかけに少しずつわたしの話しをすると返答してくれていた。


クラスのみんなもびっくりしていた。



音楽の授業になった。

音楽の先生はすっごく厳しくて忘れ物をするとみんなの前で怒り、授業に参加させてくれない人。

今日はリコーダーを持っていかなければいけない日。


なのにわたしは、忘れてしまった。。


やばい。。。

リコーダーとかなかなか違うクラスの子から借りれないし。。



一応音楽室に行き、リコーダーを忘れたことをごまかそうとしていた。


すると、裕史がわたしの手に自分のリコーダーを渡してきた。


わたしは「えっ!?」

裕史は「いいから。」


裕史はそのまま先生のとこに行き
「リコーダー忘れました。すいません。」そう言って散々怒られ、授業に参加しなかった。



わたしは裕史の行動にただただ驚き、
リコーダーを吹くふりをしていただけだった。


裕史…いまでもこのとこ忘れないよ。
思いだしただけで笑みがこぼれる。
あなたは本当に優しい人


わたしを笑顔にしてくれる。


音楽の授業が終わり、すぐに裕史のところに行った。


「どうしてー!?なんでそんな優しいの!!?」


裕史は「もう忘れんなよ。」

ただそれだけ…

リコーダーを返した。


裕史は少しずつ口数も増えていた。


友だちもできてきていた。






でも裕史…

あなたはなんだか何かを抱えているようだったよね。


まだわたしも子どもだったから分かってなかったょ。



でもあなたの表情はどこか暗かったよね。
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