幼馴染と甘恋っ!♡






ドンッ…




廊下の隅で泣いていた私は、目の前にドアがあるのを忘れていた。




急にそのドアが開いて、出てきたのは




「唯…っ!ごめん、大丈夫?」



中から文化祭用の準備物を取り出したらしい、

圭ちゃん。



「…圭ちゃん…ひっく…」




「………ごめん、急いでるから行くね」




「…………」





……そうだ。




もう、そうなんだ。



圭ちゃんはもう、慰めてくれない。



私が泣いていても、優しく頭を撫でてくれない。





もう、相楽さんがいるもん。





私は圭ちゃんのものじゃないし

圭ちゃんは私のものじゃないもん。




「…ひっく…」




”泣いちゃダメだよ、唯”



わかってる



”ほら、泣きやんで。目、腫れちゃうでしょ”



うん、泣きやまないと。




”わかった、わかったから。


本当に抱きしめたら泣きやむ?

信じるよ?”





…うん…


…信じて…





抱きしめてくれたら、


泣きやむから…





「…うわぁーん…っ」





圭ちゃん、圭ちゃん、



そばにいてよぉ…





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