幼馴染と甘恋っ!♡
LOVE13
「そっか。」
北野くんは短くそう言って、ベンチを立った。
「帰ろ、お母さん心配してるでしょ?」
「…そうだねっ」
さっきまでは、誰にも会いたくなくて
家に帰りたくなかったけど、なんだかスッキリしたみたい。
「家まで送ってくから、ほら、行こ」
北野くんが私の前を歩きながら、公園を出る。
そういえば…
「北野くんはどうしてこの公園に来たの?」
「…ぷっ。何それ、ダジャレ?」
「…え?えぇ!?ダジャレなんて言ってないよ…っ」
「はははっ。さぁ、なんでだろうね」
…もうっ。
いじわる…っ
「明日、文化祭だね。楽しみ?」
うわっ!話題かえた…!
ひきょうものぉー!
て、もう明日は文化祭かぁ…
ロミオとジュリエットの公演も明日…
この前、たまたま演劇に脇役で出るクラスメートの台本を見つけて少し開いて見た。
演劇とか案外、興味のある私はすぐに台本を覚えちゃって。
だけど、そのストーリーをあの2人が演じるということに言いようもないくらい、悲しくなって
1人でジュリエットを演じながら、泣いてたの。
”泣き虫だなぁ、唯は。ほら、おいで”
って、そんな言葉を思い出しながら。
愛し合うロミオとジュリエット。
圭ちゃんと、相楽さんにぴったりの演劇だね。
「…うんっ!すっごく楽しみ!!」