幼馴染と甘恋っ!♡
刻一刻と、舞台発表が近づき
廊下では生徒が、舞台のある体育館に移動し始めているのがみえる。
「…どうする、本当に。」
「…なぁ、俺、小南が台本覚えてるの知ってる…」
「え?」
クラスメートの1人の男子が、そんなことを言い出す。
やめて…
「この前、1人でちょっと演じてたの見たんだよ…
…やってくれねぇ?小南」
「…い、いや、えっと…」
「立候補で決まらなかった上に、小南さんだけが台本覚えてるなら、
もう決まりじゃない?」
もう1人の男子もそう言って話を進める。
「や、やだ…」
声が小さくて、聞こえなかったかも…
「小南さんでいいと思う人ー?」
…やだよ、やだやだ…
「はーい」
「…いやだもん…」
「まー、唯ちゃんなら…幼馴染だし…」
「やりたくないもん…っ」
「唯ちゃんだったらいいよ、どうせ幼馴染だし。」
「だから…嫌だって…ーー
「お前ら、いい加減にしろよ」
北野くんの大きな声で、クラスが静まった。