幼馴染と甘恋っ!♡
「泣いてないわ」
「泣いてるし!しくしく泣いてるし!」
「これは目からでるタイプの汗」
「さようでござるか」
「おうよ。助けてくれてサンキューね」
「ほいよ。
あ!あのね」
背を向けかけた私を北野が呼び止める。
「もし、傷ついたりしてたら…言ってね」
「傷つく…?」
「んー、何て言えばいいんだろ…
俺、琴乃が傷付いてるの見るの…やだし
もし俺が、今みたいなことがあって女子と話してたりして
琴乃がいい気じゃなかったら、教えて」
「……なんでよ。あんたの勝手じゃん。」
そうだよ、なんで私のために
北野の行動範囲が狭まるわけ?
………
「…なんで、私が傷つくのが嫌なの」
………無駄に期待させないでよ。
もしかしてって、思っちゃうじゃん。
「…わ、わかんない」
北野は頭をくしゃっとしながら、本当に混乱したような顔で私をみた。
そして、難しそうな表情のまま
「琴乃のこと、好きなのかな…」
と、ボソッとつぶやいた。