浮気男に逆襲を!
「無理! もーダメ! !」
「俺もムリ」
今度はガッチリ頭を押さえられる。
だからそれなら聞くなって!
「ちょ、先輩いいかげんに…」
言いかけた口を、塞がれた。
「んッ……」
ほのかにイチゴの香りがする、恥ずかしくなるくらい甘~いキス。
つーか長い! 長いって! !
息もたない…。
トントンッと先輩の胸を叩く。
ゆっくりと唇が離れ、酸素が体に舞い込んだ。
「ぷはっ……し、死ぬかと思った」
「悪い悪い。りんが可愛いからついな」
「"つい" で人を殺すなッ」
まったくこの男は、どんだけあたしをドキドキさせれば気が済むのか。
ムスッとした顔でそっぽを向くと、
「……イヤだった?」
恒例のワンちゃんお目々で見つめてくる。
だからあたしそれ弱いんだって…。