浮気男に逆襲を!
すったもんだの末ようやく魔の筋トレタイムから解放されたあたしは、ネオン眩しい夜の街をテキトーにぶらぶらすることにした。
晩ごはんまだだからお腹すいたし、どっか寄って何か食べよう。
「ん~…どこがいいかな」
辺りをキョロキョロすると、なかなか洒落た外観の一軒のカフェが目に留まった。
お、なんかあそこよさげかも。
てことで、カランコロ~ン。
「いらっしゃいませ~」
中に入ると、店内はブラウンを基調にしたモダンなインテリアで、落ち着きながらもどこかユルそうな雰囲気をかもし出している。
うーん。いい匂い♪
ふわりと漂うコーヒーの香りに癒されながらメニューを開き、なんとなく気分でカルボナーラをセレクト。
ぐぅぐぅ鳴るお腹に苦笑しつつ、スマホをいじって待機すること約5分。
「お待たせしました~」
「はーい……って、え?」
ウェイターさんの顔を見て、ビックリ仰天。
見覚えのある、赤みがかった綺麗な茶髪。
涼しげな切れ長の目。
ヤンキーとは思えないカワイイ笑顔。
「……りん?」
そう。そこにいたのは、まぎれもなく──
あたしの彼氏、岩崎篤斗サマだった。