浮気男に逆襲を!
そんなことを考えながら外に出ると、先輩が繋いだ手に力を込めながら言った。
「俺、りんに惚れ直したかも」
「へ?」
「さっきのお前、すげーかっこよかった」
「ど…どこが?」
「なんか、強ぇなと思って。女に睨まれても平然としてるし、元彼のこと名字で呼ぶし」
ニッとあたしを褒めるように笑う。
「だって、もうあたしとは関係ない人達だし」
「そっか。ちょっと安心した」
「……安心?」
何で?という視線を向けると、先輩は突然ピタリと立ち止まった。
そして真顔でこっちを向いて、綺麗なブラウンの瞳でまっすぐにあたしを見つめる。
たったそれだけのことで、トクンと胸が高鳴った。