浮気男に逆襲を!
だらしなくニヤニヤしながら最後の一口を飲み込んで、鞄を手に立ち上がる。
今日から先輩と一緒に登校するんだ♪
テンションMAXでひょこっとキッチンに顔を出す。
「じゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃい。道端であんまイチャつくんじゃないわよ?」
「ほーい」
テキトーに返事して家を出る。
バタンとドアを閉めると、ちょうどこっちを振り向いたヤンキー君と目が合った。
「おはよっ。先輩」
ニコッと笑って軽く手を振る。
先輩はポカンと口を開けて、目をぱちくりさせてあたしを見つめた。
「どしたの? 変な顔して」
眉を寄せて訊くと、彼はハッと我に返ったような顔になる。
「一瞬、誰かわかんなかった。ヤバい、可愛い……」
頬を赤く染めて、恥ずかしげもなくそんなことを言ってくる。
おうおう。朝っぱらからハート撃ち抜いてくれるね。
この魅力の塊をどうしてくれよう。