浮気男に逆襲を!
「ぅ…んッ……」
例によって、気恥ずかしい声が漏れる。
これホント困るわ。
てか、お母さんとの約束1分も経たないうちに破っちゃったんですけど。
マジで予測不能だなこの男は。
「……悪ぃ。ビックリしたよな」
ゆっくりと唇を離して、決まり悪そうにあたしを見る。
顔をゆでダコみたいに真っ赤にさせてコクコク頷くと、先輩は照れたように赤茶の髪をくしゃくしゃっとかき乱した。
「朝からこんなことするつもりじゃなかったんだけど……りんがいちいち可愛いから、理性保てなくなる」
ごめんな、と申し訳なさそうに苦笑い。
あたしはぶんぶんと首を振った。
「あ、謝んなくていいよ。別に嫌ってわけじゃないし…」
ハッ。しまった。
これじゃ、いつキスしてもいいよって言ってるようなもんじゃん!
自分で言ったことにボンッと顔が赤くなる。
は、恥ずかしー。