浮気男に逆襲を!
赤い印と悔し涙。
新生・中沢凛花誕生から早30分。
お互い糖分高めのパンを食べ終え、ポッカポカのアスファルトに背中をつけてお昼寝中。
あー…やっぱ気持ちいいな。
屋上最高!
横になったまま親指をたてる。
まぁ案の定先輩は可笑しそうに笑ってるけど、いちいちツッコむのも面倒なのでガンスルー。
てか、午後の授業サボり&昼寝タイム推奨してきたのあんたでしょうが。
人のリアクション堪能してないでさっさと寝なさいよ。
という警告も兼ねて隣のサボり魔を睨んでやると──チュッ。
まるであたしが横を見るタイミングがわかっていたかのように、寸分の狂いなくでこチューをヒットさせた。
……また発情か。程々にしてくださいよもう。
「あれ? りん、今日は赤くならないんだな」
茶化すようにそんなことを言ってくる。
そりゃ多少は免疫もつくでしょーよ。あんだけ顔合わす度にキスされれば。
「あたしもオトナになったってことですよ」
フフン、とどや顔。
毎度毎度あたしばっかドキドキさせられて悔しいからね。
ちょっとはヤキモキさせてやらないと。