浮気男に逆襲を!
「あんた……マジありえない」
「は?」
「彼氏がいる女に手ぇ出すなんてさ。サイテーだよ」
「……うっせぇ。黙ってろ」
「自分が捨てた女にすがるとか、未練がましいと思わない?」
「黙れって!」
狂ったような絶叫が耳に届いて、ぐるりと視界が反転。
さっきまで対峙していたはずの伸平が真上にいて、押し倒されたんだと気付くのにそう時間はかからなかった。
「……離して」
「嫌だね」
「あんた、いい加減に……」
憎々しげに言いかけたあたしの首筋に、チクリと鈍い痛みが走った。
──…え?
数瞬、時が止まったような気がした。
何……今の。
コイツ、あたしに何した?