浮気男に逆襲を!
「……先輩」
「あ、ああ。どーした?」
おぅふ。すっかり不審がられちゃってるぅ。
引かんといてちょーだいな。
こう見えて自暴自棄一歩手前やねん。
「あたし、伸平とケリつけるわ」
「……へ?」
「3倍返しはやめておこうって思ってたけど、さすがに強姦未遂は見逃せないもん」
「は? 強姦! ?」
眉を寄せる先輩に、あたしは指でくいくいっと首筋の赤い印を指し示す。
このキスマが証拠ですぜ。ダンナ。
「何だよこれ……塚原にやられたのか?」
「うん。たった今ね」
「はぁ? あの野郎マジふざけてんな。ブッ飛ばしてやろうか?」
「や、大丈夫。あたしが全力をもって懲らしめるから」
本日2度目の黒笑を浮かべ、"ご安心を" とピースサイン。
先輩はやれやれしょーがないねぇ的なため息をついて、ちょっぴり拗ねたような目であたしを見てきた。
何だ。またそんなカワイイ顔して。
子犬フェイス弱いんだってば。