浮気男に逆襲を!
募るイライラを抑え、どうにか教室前までやって来た。
──のは、いいんだけど。
そこで、あたしは思わぬ話を聞くことになる。
「……お前、マジで中沢ちゃんと別れたの?」
「ああ。昨日な」
前者はクラスメートの田村(タムラ)。
後者は……伸平。
「何でだよ。あんま目立たねぇタイプだけど、結構可愛かったじゃん。もったいね~」
「いや、俺ああいう女趣味じゃねーから。告ったのも遊び目的だし」
「はぁ? 遊び?」
「ああ。たまには "珍味" でも味わってみようかと思ってな」
「珍味って……お前サイテーだな」
「それは俺にとっちゃ褒め言葉だぜ?」
うわぁ。
アイツ、マジありえない。
あんな奴と付き合ってたとは……。
まぁ、過去は変えられないから後悔してもしょーがないけどさ。
それにしても、もうちょっとあたしに配慮してくれてもよくないか?
一応同じクラスなんだから、聞こえないところで喋ってよ。そーゆーことは。