浮気男に逆襲を!
見慣れた廊下を抜けて、勝手口から外に出る。
ホップステップジャンピング♪的なノリで日陰を渡り歩き、滅多に人の来ない物静かな裏庭へと歩を進める。
そして、お気に入りの大木が視界に入り、無意識に頬が緩んだ瞬間──
「よぉ、中沢。待ってたぜ」
うさんくさ~い笑顔を貼りつけた塚原伸平と、とうとう相見(あいまみ)えた。
「よく来たね。逃げもしないで」
「この俺が、お前の誘いを断るわけねぇだろ」
などとキザったらしい笑みを浮かべてる。
うぅ。マジ悪寒。
「……まぁ、その勇気だけは高く買ってあげるよ」
買ったところで置き場はないけどね。