浮気男に逆襲を!


女は興味なさげに本を鞄に突っ込んで、アンニュイそうに口を尖らせて頬杖をついた。


その横顔は……よく見ると、まぁ可愛くなくもないな。


磨けば光る、ダイヤの原石みたいなタイプだ。


そんなことを思いながら、ついじっとこの女を見つめてしまっていると……



「ん? また何か用?」



視線を感じたのか、ちらっとこっちに流し目してくる。


その物怖じしない目付きにイラついて、俺は眉を寄せて彼女を見た。



「お前、俺のこと知らねぇの?」


「え?」



何言ってんの? 的な顔を向けてくる。


なんだそのリアクション。いちいち生意気だなコイツ。


< 189 / 265 >

この作品をシェア

pagetop