浮気男に逆襲を!
女は興味なさげに本を鞄に突っ込んで、アンニュイそうに口を尖らせて頬杖をついた。
その横顔は……よく見ると、まぁ可愛くなくもないな。
磨けば光る、ダイヤの原石みたいなタイプだ。
そんなことを思いながら、ついじっとこの女を見つめてしまっていると……
「ん? また何か用?」
視線を感じたのか、ちらっとこっちに流し目してくる。
その物怖じしない目付きにイラついて、俺は眉を寄せて彼女を見た。
「お前、俺のこと知らねぇの?」
「え?」
何言ってんの? 的な顔を向けてくる。
なんだそのリアクション。いちいち生意気だなコイツ。