浮気男に逆襲を!
そして、中沢と仮の恋人関係を続けたまま数日が過ぎ──
6月に入った頃、俺は珍しいことに中沢から呼び出しをくらった。
「話って何だよ」
我ながら愛想のない挨拶。
でも別に悪いなんて思わねぇよ? 愛想がないのはお互い様なんだからな。
「……塚原伸平くん」
「あ? なに急に」
突然フルネームで俺を呼んだ中沢に、思わず眉を寄せる。
どことなく不穏な空気が流れる中、彼女はわざとらしい咳払いを落とし、意を決したようにこう切り出した。
「アンタ、あたしの彼氏だよね?」
「…は?」
な、何言ってんだいきなり。
全く話がつかめねーんだけど。