浮気男に逆襲を!


──翌日。


久しぶりに1人で教室に入ると、ノリの良さと超がつくほどのうるささが持ち味の幼なじみ・田村誠人(マサト)が冷やかすような視線を送ってきた。


訝しげに睨む俺と、心得顔で頷く誠人。


なんだその "うんうん、分かるよ" 的表情は。何一つ分かってねぇだろお前。


シラケ顔で口をへの字に曲げながら、ガタッと音をたてて椅子に座る。


案の定、誠人は楽しげにニヤニヤ笑って俺の前の席に腰掛けた。



「本日はお一人様なんですねぇ。2年のボスともあろうお方が」


「あ?」



含みのある物言いに、つい目付きが鋭くなる。


だが奴は決して物怖じすることなく、クックと可笑しそうに笑いながら続けた。 



「さては中沢ちゃんにフラれたんだろ~」



ぐりぐりと頭を小突かれる。



……地味に痛ぇし。



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