浮気男に逆襲を!
はぁー…と深いため息をついて立ち上がり、未だ悲しげに微笑んでいる伸平を静かに見下ろした。
「またいつか大切な人が出来た時は、今度こそちゃんと、真摯(しんし)に向き合いなよ」
「え?」
目を丸くしてあたしを見る。
どこか驚いたような表情をしてるのは……きっと、あたしが笑ってるから。
あの廊下でのマジ告白を断った時と同じ、自分でも不思議なくらい穏やかな顔で。
でもそれはやっぱり、コイツを完全に許したからではなくて。
この男の身勝手から始まった復讐を、この男の身勝手さを諌(いさ)める形で終わらせたいと思ったから。
己の罪を自覚して、認め、正していく。
そうさせることが出来たなら、それは十分価値のある "復讐" になるはずでしょ?
だからあたしは笑顔で語りかけるんだ。
目の前でポカーンと固まってる、ザンネン過密地帯こと元彼くんにね(笑)