浮気男に逆襲を!
「覗き見くらいなら特別咎める気はなかったけどな。お前らが今ソイツにやろうとしてたことは、りんが望んでることじゃねぇから止めさせてもらった」
凛とした横顔。
力強い声。
見る者を圧倒する超越的なムード。
ひたすら胸キュン指数を高めるあたしの周りで、クラスメートの面々はいたずらが見つかった子どもみたいな顔で固まってる。
どうやら羽交い締めにされた伸平を見て、自分たちの悪ノリ加減を認識したらしい。
まぁみんな根はイイコだもんね。市井さんなんて、大して仲良しでもないあたしのために号泣してくれちゃってるし。
「それに……土下座なんかしなくたって、コイツは十分自分の罪を認めてる」
わずかに口角を上げて伸平の方に視線を移す。
うわ、なんてイイ笑顔。
どんだけ男前なんだアンタは。
「……だろ?」
フッと柔らかい笑みをこぼすアッくん先輩。
はい視界から女子消滅!
おまけに男子まで顔赤くしてときめいてるし。
罪よのう。