浮気男に逆襲を!
「ああ…。本当に、ごめんな。中沢」
真剣な瞳で、まっすぐにあたしを捉える。
その顔は、やっぱり "生まれ変わった" としか言いようがない、とても清々しいものだった。
「……もう謝んなくていいって」
あの日。 "すがり女" のレッテルを貼られ、学校中から侮蔑の視線を浴びせられた屈辱は……今でも許せないし、綺麗さっぱり忘れてあげるつもりもない。
そして昨日。無理やりキスされて、傷つけられそうになったことだって、正直死ぬほどムカついてる。
けど、あの傲慢で自己中で最低野郎だった伸平が、ここまで変わってくれたなら。
あたしの "復讐" は無駄じゃなかったって、うぬぼれてもいいよね?
「さっき言った通り、あんたが自分のしたことにきっちりケジメとってくれるなら、あたしもこれ以上あんたに突っかかるつもりはないよ」
ここ一番のキメ顔でキリリと言い放つ。
すると、今度はまさかの男子消滅現象。
あらら。よぉーく見知ったお2人しか残っとらんじゃないの。
しかもその2人まで顔赤いし、フラフラしてんのを何とかこらえて大地踏みしめてる感じだし。
うぅーん。もうさっきから何なんだろうねこの状況は。
勝手口を抜けたら、そこはカオスの入り口だった。マル。
的な?
などと、またもや珍奇な自己完結をキメながら……
元彼&新彼フェイスと同じくらい真っ赤に染まった、沈みゆく夕日を独り見つめる哀れな中沢ちゃんでありましたとさ。
めでたしめでたし♪
……ですかね?