浮気男に逆襲を!
浮気男の末路と、 これから。
怒濤の最終ラウンドに辛くも(?)勝利した翌朝。
「りん、将来プロレスラーになれそうだな」
「今度俺と手合わせしない?」
などと、先日の4の字固めをとことんイジリ抜いたアッくん先輩への復讐を密かに誓い、こめかみに血管を浮かび上がらせた悪魔スマイルを向けつつ手を振って廊下で別れた。
そして、何やら重苦しい雰囲気が漂っている見慣れた教室のドアを開け──
「おはよ~」
「っはよ。中沢ちゃん」
いつものように挨拶を交わして中に入る。
チラッと特等席の方に視線をやると、意外にも伸平は既に着席済み。
へぇ。さすが、腐ってもボスはボスだね。
恥ずかしさのあまり不登校になるんじゃないかと心の面積1000分の1くらいの割合で危惧(きぐ)してたけど、これなら大丈夫そうだ。
フフッと小さく笑みをこぼし、無言のままあたしも席についた。