浮気男に逆襲を!


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「つ、着いた…」


ぜぇはぁと息を切らすあたしの眼前にそびえるのは、『岩崎』という表札がかけられたモダンな外観の一軒屋。


特別大きいってわけじゃないけど、何と言うか小綺麗で──少し、お金持ちな感じがする。



「……よし」



大分呼吸が落ち着いたので、ピンポーン。


募るドキドキを抑えつつ、意を決してチャイムを鳴らした。


すると──ダダダダダッ! !


もはや轟音と呼びうるレベルのけたたましい足音が (なぜか) 外まで聞こえてきたかと思うと、今度はバンッという銃声みたいな音と共にその大きなドアが開き……



「いらっしゃい!」



現れたのは、アッくん先輩──ではなく。


クルクルパーマの明るい茶髪を揺らしつつの、 "超" がつくほどの美少女サマ。


え、誰この人。


キョトンと目を丸くするあたし。



「……かっ」


「?」


「かっわいい~っ! !」



ムギューッといきなり抱き締められ、市井さんの時と同様、窒息&骨折の危機に見舞われるという大惨事。


な……何この状況。


つーか死ぬ死ぬ、死ぬって!


ばしばしとその謎の美少女サマの背中をタップすると、「あっごめーん、苦しかったぁ?」という、なんともはらわたの煮えくり返る謝罪と共に離れてくださいました。


あの~、マジどーゆーことすかコレ。


誰かそろそろ解説プリーズ。


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